第16回 新人薬剤師勉強会

サプリメントについて

ホーム調剤薬局 佐藤 尚美


1.健康食品の基礎知識

「サプリメント」の語源は英語の【dietary supplement】からきており、栄養補助食品と訳される。第2次世界大戦後、世界最先端の医療技術がありながら平均寿命は先進国の下位に位置していたアメリカは、このままでは病気で国が滅びると考え、1975年から2年間に亘り大規模な調査を行った。その結果、「主要な死因であるがん、脳卒中、心臓病などの病気は偏った食生活が問題である」というマクガバンレポートが発表され、その後、栄養補助食品健康教育法(DSHEA)によりサプリメントが医薬品と食品の中間的存在であると位置づけられるなど食生活を補うためのサプリメントがアメリカで浸透していくこととなった。日本における「サプリメント」はアメリカのそれとは違い法令上明確な定義はなく、普通の食品より健康に良いと称して売られるものを「サプリメント」、「栄養強化食品」、「健康食品」などと呼ぶ。食品に分類されるため安全性の保証は今のところ食品衛生法により製造者・販売者にあるとされている。

健康食品の需要は高齢化、医療費負担の増加、健康志向の高まりなどを背景に年々増えており、供給も大市場化してきている。健康食品はあくまで食品であるためその選択、摂取、購入、評価全てが消費者に委ねられるが、多種多様な食品が流通する中、その特性を充分理解しうる情報提供が必要との流れから平成3年に特定保健用食品、栄養機能食品を定める「保健機能食品制度」が施行された。日本でようやく法律で位置づけられるサプリメントが誕生したのだ。 その制度、表示規制など詳細について解説する。


2.健康食品と調剤薬局の関わりについて

薬には「薬剤師」、健康食品には「アドバイザリースタッフ」という専門家がいる。厚生労働省が正しく健康食品の情報を提供できる身近な助言者の育成が必要との通達を出し、サプリメントアドバイザー(日本ニュートリション協会)、NR(独立行政法人国立健康栄養研究所)など国家資格ではないが各々の民間団体で講義、試験を経て誰もが資格を取得することができるようになった。しかしまだその数は少なく、薬局薬剤師を頼ってくる事も多いのが現状である。

調剤薬局で相談を受けた際には、疾患の有無、併用薬の有無、検査・手術の有無などを考慮し、その摂取について正しい情報を伝えなくてはならないため、必要な知識をここで解説する。
サプリメントは医薬品ではないが、その扱いは医薬品同様の配慮が必要であり、場合によっては医師へのフィードバックも必要となる。また、健康食品は医薬品のように病気を治療するためのものではないため、健康食品に過剰に期待して治療を中断したり受診の機会を逃さないよう医療専門家として見極め、アドバイスすることも大切である。薬局薬剤師は国民の健康な生活を確保するために、正しい情報を発信し健康被害の防止及び健康被害の収集に努めるべきである。


3.健康食品知識チェック

問.効能効果が認められているサプリメントは特定機能食品だけである。○か×か?
問.「特許」を取得したサプリメントは効能効果が期待できる。○か×か?
問.イチョウ葉エキスを外科手術前に服用した時に最も予測される問題点は?
問.医師らは患者の健康食品摂取に反対している。○か×か?